施工管理は、「残業が多い」「休日出勤が多い」と激務のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、昨今の働き方改革の推進により、施工管理の仕事でもホワイトな環境が増えてきています。
この記事では、施工管理のホワイトな労働条件を見分ける方法やポイント、ホワイト企業の特徴について解説します。ホワイトな環境で施工管理として働きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
施工管理におけるホワイトな労働条件のポイントは?
そもそも施工管理の仕事がブラックだと考える人が多いのは、「労働時間の長さ」「休日の少なさ」といったイメージを持っているためではないでしょうか。しかし実際の施工管理の業務を見ると、働き方改革の推進により労働環境が大幅に改善され始めています。
たとえば、「完全週休2日制」「有給休暇の消化率が高い」など、無理なく働ける環境を整える企業が増えてきました。ほかにも、企業が工事を受注する際に工期に余裕を持たせることで過酷な労働にならないようにしている場合もあり、「施工管理はブラック」というイメージは変わりつつあります。
施工管理におけるホワイト企業の特徴5選
ここでは、施工管理におけるホワイト企業の特徴を5つ紹介します。より働きやすい環境を探すための参考にしてみてください。
- 年間休日日数が105日以上
- 残業時間が少ない
- 有休消化率が高い
- 離職率が低い・平均勤続年数が長い
- 職場の風通しが良い・人間関係が良好
年間休日日数が105日以上
ホワイトな施工管理の仕事は、年間休日日数が105日以上確保されていることがほとんどです。ホワイト企業の特徴である「完全週休2日制」を導入していた場合、最低の年間休日日数は105日です。
さらに、「祝祭日休み」「年末年始休暇」「夏季休暇」などの特別休暇も設けられていれば、年間休日日数が120日を超えている場合もあります。施工管理として働くうえでプライベートも大切にしたい場合は、年間休日日数が多い企業を探してみましょう。
残業時間が少ない
ホワイト企業として、「残業時間が少ない」ことも重要な条件の一つでしょう。具体的には、月の残業時間が40時間以内だとホワイト企業だといえます。労働基準法では月45時間を超えない範囲での時間外労働が定められています。そのため、月の残業が40時間以下の場合、企業は法律を遵守し、労働者に対し快適な労働環境を提供する姿勢が見られるといえます。
有給消化率が高い
有休消化率が高い企業の施工管理は、ホワイトな働き方を実現できます。施工管理は職業柄、工事現場の責任者を任せられるため、個人的な都合で有給を取るのが困難です。その中で有給休暇の消化率が高い場合は、有給を取得するサポート体制等が整っており、企業側が従業員のことを大切に考えているホワイトな企業だといえるでしょう。
離職率が低い・平均勤続年数が長い
ホワイト企業は従業員の離職率が低く、平均勤続年数が長いのが特徴の一つです。一般的にブラック企業と呼ばれる企業の多くは、働く環境が悪いため従業員の離職率が高く、平均勤続年数が短い傾向にあります。
一方でホワイト企業は、「給与・福利厚生が充実」「休日が多い・残業が少ない」「人間関係のトラブルが少ない」など、従業員が働きやすい環境が整っています。そのため、従業員の会社に対する信頼度などが向上し、離職・転職しようと考える従業員が少ない傾向にあります。働きやすい環境を見極めたいのであれば、離職率や平均勤続年数の長さをチェックすることがおすすめです。
職場の風通しが良い・人間関係が良好
ホワイトと呼ばれる企業の多くでは、職場の風通しが良く人間関係が良好です。人間関係のトラブルが起こりにくく、上司・部下・同僚の信頼関係が構築されている職場は、従業員にとって働きやすいといえます。
また、職場の風通しが良く人間関係が良好だと、従業員のモチベーションアップや生産性向上にもつながるため、現場が活気づき、やりがいを感じやすくなります。
施工管理におけるホワイト企業を見極める方法
施工管理におけるホワイト企業を見極める方法を4つ紹介します。転職活動する際の参考になるため、あらかじめチェックしておきましょう。
- 求人・応募要項を細かくチェックする
- 経営事項審査の結果をチェックする
- SHEMでホワイト企業ランキングをチェックする
- 労働基準関係法令違反に係る公表事案をチェックする
求人・応募要項を細かくチェックする
施工管理におけるホワイト企業を見極めるには、求人・応募要項に記載してある内容を細かくチェックしておきましょう。特に、「休日・残業時間・福利厚生」などについては、基本的に書かれているため、見落とさないよう注意深く確認してください。
ただし、残業時間や年収が記載されている通りではない場合があります。たとえば、「みなし残業代」や「固定残業代」と書かれている企業ではなく、「残業手当全額（もしくは100%）支給）」と書かれている求人に応募すると良いでしょう。
経営事項審査の結果をチェックする
経営事項審査とは、国や地方自治体が発注している工事を請け負う際に企業が受ける必要がある審査のことです。経営事項審査では、企業規模や業績だけでなく、従業員が安心して働ける環境が整っているかまで審査されます。具体的にチェックすべき項目は以下の通りです。
- 健康保険および厚生年金加入の有無
- 建設業退職金共済制度加入の有無
- 退職一時金制度または企業年金制度加入の有無
- 法定外労働災害補償制度加入の有無
- 営業年数
- 営業停止処分の有無
- 指示処分の有無など
上記審査項目にW評価が与えられていれば、優良企業と判断できます。経営事項審査結果は、「一般財団法人建設業情報管理センターCIIC」のサイト内で検索できるため、求人応募前にチェックしてみてください。
SHEMでホワイト企業ランキングをチェックする
SHEM（非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構）のWebサイトでは、ホワイト企業・ブラック企業の一覧やランキングが掲載されています。ホワイト企業の基準は、公的機関から与えられた認証マークを有しているか否かです。
一方のブラック企業の基準は、コンプライアンス違反を起こしたことがあるか否かです。実際に、政府・官公庁から優良マーク認定されている企業を検索できるため、一つの指標として活用してみてください。
労働基準関係法令違反に係る公表事案をチェックする
労働基準関係法令違反に係る公表事案とは、厚生労働省が不定期で発表しているいわゆる「ブラック企業」に認定された企業を公表する取り組みのことです。リアルタイムな情報が頻繁に更新されているため、自分が応募したい企業が直近でコンプライアンス違反を犯していないかをチェックできます。たとえば、求人に「固定残業代・みなし残業代」や「残業時間45時間」などと記載されている場合に、過去に政府から指導を受けていないかを確認するために活用できるでしょう。
まとめ
施工管理でもホワイト企業で働く方法はある！
施工管理の仕事は、激務でブラックだと思われがちですが、最近では「完全週休2日制」「残業時間の短縮」など働き方改革が進んでおり、ホワイト企業が増えています。施工管理として働きたい方の中には、ワークライフバランスを大切にしたいと考えている人もいるでしょう。
ホワイト企業を見極める際は、「休日数・残業時間・有休消化率・離職率」などをチェックするのがポイントです。求人や応募要項を確認する以外にも、経営事項審査の結果やホワイト企業の認証マークが付いているかなども見ておくことで、ホワイト企業で働けるチャンスが広がるでしょう。
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