プラントエンジニアの仕事内容とは?役に立つ資格や知識、魅力を紹介

プラントエンジニアの仕事内容とは?役に立つ資格や知識、魅力を紹介

プラントエンジニアは、石油化学や電力、環境処理施設などのプラント設計・建設・運営・保守を担当する専門家ですが、その仕事内容や向いている人の特徴まで知っている人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、プラントエンジニアの業務内容や働く場所の種類、取得しておくと有利な資格や知識、仕事の魅力を詳しく解説します。

目次

プラントエンジニアとは?

プラントエンジニアとは、工場設備であるプラントの設計や開発、建設やメンテナンスを行う専門職です。具体例には、発電所や浄水場、食品工場などが挙げられます。

人々の暮らしを支えるプラントエンジニアには、プラントの機能と安全を確保するための専門的な知識や技術が求められます。

プラントエンジニアが働くプラントの種類

プラントは主に、産業系プラント、化学系プラント、エネルギー系プラント、環境系プラントの4つに分けられます。それぞれの概要や特徴を理解し、就職や転職を考える際の参考にしてみてください。

産業系プラント食品や医薬品、化学製品、金属など、生活に必要なさまざまな製品や工業の素材を生産する設備を備えた施設
化学系プラント産業系プラントで使用される化学製品を作る施設で、「有機化学プラント」「無機化学プラント」の2種類に分けられる
エネルギー系プラント電力やガスの供給を担う施設
環境系プラント廃棄物処理や水処理施設などの環境保護に関連する施設

産業系プラント

産業系プラントとは、食品や医薬品、化学製品、金属などを取り扱い、生活に必要なさまざまな製品や工業の素材を生産する設備を備えた施設です。たとえば、食品や医薬品を製造するプラントでは衛生管理が、素材生産では効率的な製造が重要になります。

産業系プラントは大量の資源を加工・生成して製品を作ることを目的としており、大規模な設備や高度な技術が必要です。

化学系プラント

化学系プラントは、産業系プラントで使用される化学製品を作る施設で、「有機化学プラント」と「無機化学プラント」の2種類に分けられます。

有機化学プラントには、石油やガソリン、プラスチック製品、ゴム製品などを生産する「石油化学プラント」や、エタンやエチレンといったメタンを原料とする成分からさまざまな科学製品を生産する「天然ガス化学プラント」などがあります。

無機化学プラントでは、苛性ソーダや塩素などを加工して製品を作る「ソーダ工業プラント」や、アンモニアを使って肥料などの原料とする「アンモニア工業プラント」などがあります。

化学系プラントでは有害物質や危険物質を取り扱うため、プラントを安全に稼働させることが重要です。

エネルギー系プラント

エネルギー系プラントは、電力やガスの供給を担う施設です。火力発電や水力発電、太陽光発電や風力発電など、さまざまな種類の発電プラントがあり、最新のエネルギー技術が活用されています。

エネルギー系プラントでは、生活や産業に欠かせないエネルギーを安定して供給するために、安全性と効率が重要視されます。

環境系プラント

環境系プラントとは、廃棄物処理や水処理施設などの環境保護に関連する施設です。廃棄物処理の際に再利用可能な資源を回収する施設や、ごみを燃やした熱で発電する施設、食品廃棄物に含まれている炭水化物をエタノールに変えるシステムなどがあります。

廃棄物のリサイクルや廃水処理などを行い持続可能な社会づくりに貢献する環境系プラントでは、環境規制の厳守が求められます。

プラントエンジニアの仕事内容

プラントエンジニアの仕事内容には、設計から調達、建設、保守まで、プラントを支えるさまざまなものがあります。プラントが完成するまでの工程に沿って業務内容を詳しくみていきましょう。

設計

設計には、基本設計と詳細設計の2段階があります。

基本設計で行うのは、プラントがもっとも効率良く目的を果たすための装置の組み合わせや配置、設置する機材の大きさや全体構造の決定です。一方、詳細設計では、基本設計で決めた装置の実際の仕様や寸法、配置を具体化し、配管の設計なども担います。

調達

次の工程は、複数社から見積もりを取り資材の調達先を決めていく調達です。予算・品質・納期などを検討して最適な調達先を選び、資材が依頼通りに納品されたか検品も行います。

建設

建設段階では、設計図通りに工事が進んでいるか、スケジュールが守られているかを確認する施工管理の仕事をプラントエンジニアが担います。完成後には、プラント全体が要求されている性能を発揮しているか、安全面に不安がないかを判断するために試運転を行い、問題がなければ本稼働へ移行します。

保守

プラント完成後も、定期的な点検や保守、増設など、プラントエンジニアには重要な業務があります。一人で働くのではなく、現場監督者が複数のプラントエンジニアに指示を出し、それぞれに業務を割り振ります。

プラントエンジニアの年収

厚生労働省の職業情報提供Webサイト「jobtag」では、プラントエンジニアの平均年収は612.4万円(2024年11月時点)となっており、求人Webサイトのデータで見てみると、年収は400万円から600万円ほどです。
「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全国の給与所得者の平均年収が460万円なので、平均よりも高い年収を得られる可能性があります。

経験年数や勤務地、会社の規模により異なりますが、大手企業や経験が豊富なエンジニアほど高収入が期待できるでしょう。

参照:国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査

プラントエンジニアが持っていると良い資格や知識

プラントエンジニアになるために必須の資格はありませんが、有利になる資格や知識はあります。

持っておくと良い資格

プラントエンジニアを目指すうえで持っておくと良い資格を以下にまとめました。

  • 技術士
  • 一級建築士
  • エネルギー管理士
  • 高圧ガス製造保安責任者
  • ガス主任技術者
  • 公害防止管理者
  • 施工管理技士
  • 電気主任技術者
  • 情報処理技術者
  • CAD利用技術者試験
  • 機械設計技術者

プラントエンジニアには、工学全般の知識やCADスキルが求められます。担当セクションによっては建築や電気設計に関する資格が必要になる場合もあるでしょう。

各分野で求められる知識

プラントエンジニアには、各分野によって求められる知識が異なります。

  • 機械系
    プラントの設計からメンテナンスまで関わるため、機械工学全般の知識が必要です。
  • 化学系
    燃料や薬品など、原料から製品化するプラントに携わる場合、応用科学や化学工学の知識が必要となります。
  • 電気系
    電気系統のプラントを開発する場合には、電気・電子工学やシステム工学、制御工学の知識が必要です。
  • 土木系
    土地の整備や開発を行うためには、幅広い土木工学や建築工学の知識が必要となります。

各分野とも高度な知識が必要となり、最新の技術を学び続けようという姿勢が求められます。

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プラントエンジニアの魅力

プラントエンジニアには、以下のような多くのやりがいやメリット、魅力があります。

大きな達成感が得られる

プラントエンジニアは、工場のようなスケールの大きな現場に携わる仕事です。規模が大きい分、専門性が高く、複雑な工程、多大な時間と資金、労力を費やす大変な仕事ですが、プロジェクトが成功した暁には大きな達成感が得られます。完成後も、設備が安定稼働すれば社会に貢献していることを実感でき、自身の仕事の意義を深く感じられます。

収入アップが目指せる

プラントエンジニアは専門的な知識と高度な技術を必要とするため、建設業界の中でも高収入を目指すことが可能です。成果報酬が設定されることが多く、経験やスキル、資格の取得を通じた技術の向上によって収入アップも期待できるでしょう。

需要が途切れない

プラントは耐用年数に応じて建て替えが必要になるため、プラントエンジニアの需要は途切れることはないでしょう。また、プラントはエネルギー、化学、インフラなどの分野で人々の生活を支えている重要な施設であることから定期点検が必要で、その際にもプラントエンジニアは重要な存在となります。

海外で活躍するチャンスがある

プラントエンジニアは国際的なプロジェクトにも多く関与する機会があり、海外での活躍も期待できます。発展途上国を中心にインフラ開発やエネルギー分野での新規プラント開発の需要が高く、英語力や異文化対応能力を備えることで、国際経験を積みながらキャリアアップが図れるでしょう。

働き方の選択肢が広がる

プラントエンジニアには安定した需要があり、高収入を得られるため、働き方の選択肢が広がります。高い技術力や豊富な経験を備えるほど転職で有利になるほか、独立して会社に頼らずに働くこともできるでしょう。

プラントエンジニアに向いている人

最後に、プラントエンジニアに向いている人の特徴をご紹介します。ご自身に当てはまるかどうか、プラントエンジニアへの就職や転職の際の参考にしてみてください。

コミュニケーションが得意な人

プラントエンジニアは、プロジェクトチームや施主、外部パートナーと連携して仕事を進めるため、良好なコミュニケーションが不可欠です。

技術的な説明を分かりやすく伝えたり、他部門と円滑に調整したりするスキルが求められるため、コミュニケーションが得意な人に向いています。

リーダーシップを持つ人

プラントエンジニアは、プロジェクトの進行管理や問題解決のためにチームを引っ張る役割を担います。そのため、責任感とリーダーシップを持ち、各工程で適切な指示を出し、チームをまとめる力が求められます。

リーダーシップを発揮し、プロジェクトを効率的かつ効果的に進められる人は、プラントエンジニアに向いているといえるでしょう。

知的好奇心が旺盛な人

プラントエンジニアは技術革新が早い分野のため、常に新しい知識や技術を学ぶ意欲が重要です。

知的好奇心が旺盛で学ぶことが好きな人、苦にならない人は、プラントエンジニアに向いています。日々の学びをいかしながらスキルやキャリアを向上させることで、より複雑で高度なプロジェクトにも挑戦できるようになるでしょう。

社会貢献に興味がある人

プラントエンジニアは、インフラやエネルギー分野などで社会の基盤を支える仕事を担っています。そのため、社会の持続可能な発展に貢献したいと考える人は大きなやりがいを得られるでしょう。

社会的責任のある仕事に携わることで、日々の業務へのモチベーションも高まります。

高収入を得たい人

高い専門性を必要とするプラントエンジニアは、スキルや経験を積むことで高収入を得られる可能性があります。

大規模プロジェクトや難易度の高い仕事を任されると年収も上がりやすく、資格取得やキャリアアップによってさらなる収入アップも期待できるでしょう。

柔軟に働きたい人

プラントエンジニアは働き方の選択肢が多様です。納期前など特定の期間以外は残業も少なく、プライベートな時間も得られます。

プロジェクトの種類にもよりますが、経験やスキルを身に付ければ独立して働くことも可能で、自分のライフスタイルに合わせた勤務がしやすくなるでしょう。

まとめ

プラントエンジニアは、工場設備であるプラントの設計や開発、建設やメンテナンスを行う専門職です。高い専門知識や技術、コミュニケーション能力やリーダーシップなどが必要になりますが、社会貢献によるやりがいや達成感が得られます。需要が高く、高収入が期待できる仕事でもあります。

ここでご紹介した、向いている人の特徴に当てはまる場合は、ぜひプラントエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。


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