2級建築施工管理技士の資格とは?業務内容や受検資格について解説

2級建築施工管理技士の資格とは?業務内容や受検資格について解説

2級建築施工管理技士は、建設現場で施工管理業務を担う人が取得する国家資格です。現場での活躍の機会を増やすべく、多くの人が資格取得にチャレンジしています。ただし「資格があると何ができるのか」「自分に取得できるのか」と不安に思う人もいるでしょう。

この記事では、2級建築施工管理技士の業務や試験の概要、取得するメリットや合格するための効果的な勉強方法などを解説します。

目次

2級建築施工管理技士とは?

2級建築施工管理技士は、建設現場で施工管理を担当するための国家資格です。特に中小規模の現場で重要な役割を果たします。その業務内容や、1級建築施工管理技士との違いを解説します。

2級建築施工管理技士の業務

2級建築施工管理技士は、安全管理、品質管理、工程管理、原価管理を担当します。

安全管理では作業員や現場の安全を確保するための対策を実施し、品質管理では設計図通りに仕上がるよう材料や施工方法を確認します。工程管理では工事が予定通りに進むようにスケジュールを調整し、遅れを防ぎます。原価管理では、予算内で工事を竣工させるためにコストを適切に管理します。

1級建築施工管理技士との違い

2級建築施工管理技士と1級建築施工管理技士の違いは、担当する現場の規模と役職にあります。

2級建築施工管理技士は主に中小規模の現場で主任技術者として働きますが、より大規模なプロジェクトでは1級建築施工管理技士の資格が必要です。特に、監理技術者としての役割を担うためには、1級建築施工管理技士の資格取得が必須となります。

2級建築施工管理技士補との違い

2級建築施工管理技士補は、第一次検定に合格した人に与えられる資格です。2級建築施工管理技士補の資格のみでは実務は担えませんが、就職活動などで自分の能力や資格をアピールするためには有効です。

2級建築施工管理技術検定の概要

2級建築施工管理技術検定は、一般財団法人建設業振興基金が運営する国家試験です。前期と後期に分かれて実施され、第一次検定は年2回、第二次検定は年1回行われます。

受検資格

2級建築施工管理技術検定は令和6年4月1日に新制度が施行され、受検資格が新しくなっています。

第一次検定

必要条件
17歳以上(当該年度末時点)

参照:一般財団法人 建設業振興基金|2級建築施工管理技術検定のご案内

新制度が施行される前の第一次検定の受検資格も17歳以上(当該年度末時点)であったため、新制度施行後も受検資格の条件は変わりません。当該年度末時点で年齢が17歳以上であれば、学歴問わず誰でも受検資格を得られます。

第二次検定

受検資格要件第二次検定の受検に必要な実務経験年数
2級第一次検定合格実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上)
1級第一次検定合格実務経験1年以上
一級建築士試験合格実務経験1年以上

参照:一般財団法人 建設業振興基金|2級建築施工管理技術検定のご案内

第二次検定は、新制度が施行される前は学歴によって1~8年の実務経験が必要でした。一方、新制度の施行後に受検資格を得るためには、2級建築施工管理技術検定の第一次検定合格者で3年以上、1級建築施工管理技術検定の第一次検定合格者で1年以上の実務経験、一級建築士試験の合格者で実務経験1年以上が必要となります。

費用や日程・時間

受検費用は、第一次検定と第二次検定でそれぞれ以下の通りとなっています。

受検費用
第一次検定5,400円(非課税)
第二次検定5,400円(非課税)

参照:一般財団法人 建設業振興基金|2級建築施工管理技術検定のご案内

試験は前期と後期に分けて実施されます。2025年度の日程は下記の通りで、第二次検定は後期のみの実施となります。

スクロールできます
2025年度受検区分試験日程時間
前期第一次検定6月8日(日)2時間30分
後期第一次検定
第二次検定
11月9日(日)2時間

参照:一般財団法人 建設業振興基金|2級建築施工管理技術検定のご案内

試験形式と合格基準

試験は第一次検定と第二次検定の2つです。
試験形式は、第一次検定は四肢択一、五肢択一(マークシート方式)で、50問のうち最低40問の解答が必要です。また第二次検定では経験記述を1問、記述式問題を4問解答します。

令和5年度(2023年度)検定の合格基準は以下の通りとなっています。

合格基準解答形式
第一次検定40問中24問以上正解
第二次検定得点が60%以上

参照:一般財団法人 建設業振興基金|令和5年度 2級建築施工管理技術検定第一次検定 実施結果
一般財団法人 建設業振興基金|令和5年度 2級建築施工管理技術検定第二次検定 実施結果

合格率と難易度

令和4年度(2022年度)から令和6年度(2024年度)の第一次検定と第二次検定それぞれの受検者数、合格者数、合格率は下記の通りとなっています。

スクロールできます
年度受検区分受検者数合格者数合格率
令和6年度
(2024年度)
第一次検定(前期)13,664人6,588人48.2%
令和5年度
(2023年度)
第一次検定27,116人13,387人49.4%
第二次検定21,859人6,999人32.0%
令和4年度
(2022年度)
第一次検定27,004人11,421人42.3%
第二次検定21,625人7,924人36.6%

引用:一般財団法人建設業振興基金|令和6年度 2級建築施工管理技術検定第一次検定(前期) 実施結果
一般財団法人建設業振興基金|令和5年度 2級建築施工管理技術検定 結果表
一般財団法人建設業振興基金|令和4年度 2級建築施工管理技術検定 結果表

第一次検定は合格率が40%台、第二次検定では30%台となっています。この数字から、第二次検定のほうが第一次検定よりも難易度が高いことが分かります。

申請方法から取得までの流れ

2級建築施工管理技術検定は、受検区分また新規受検か再受検かによって申請方法が異なるため注意しましょう。

申請方法の違いを表にまとめました。

第一次検定のみ第一次、第二次検定同時第二次検定のみ
新規受検ネット申請のみ書面申請書面申請
再受検再受検制度なしネット申請、書面申請ネット申請、書面申請

参照:一般財団法人 建設業振興基金|2級建築施工管理技術検定のご案内

2級建築施工管理技士の資格取得までの流れを解説します。既に第二次検定の受検資格を得るために必要な実務経験を満たしており、第一次検定、第二次検定を同時に受ける場合の資格取得までの流れは以下の通りです。

  • 第一次検定、第二次検定の受検申し込み
  • 第一次検定受検票送付
  • 第一次検定
  • 第一次検定合格発表
  • 第二次検定受検票送付
  • 第二次検定
  • 第二次検定合格発表
  • 資格の登録申請

資格の勉強をするコツやポイント

2級建築施工管理技術検定に合格するためにはどのような勉強をすれば良いのか、合格するためのコツやポイントを解説します。

学習を習慣化する

2級建築施工管理技術検定の合格に要する学習時間は100~300時間ほどとされています。毎日1~2時間学習しても2~3か月程度はかかる計算となるため、特に独学で学ぶ場合には学習の習慣化が大切です。

過去問を解いて出題傾向をつかむ

過去問を解くことは、試験対策の基本となります。なぜなら、過去問を解くことで出題傾向がつかめるからです。直近の試験問題は、一般財団法人建設業振興基金のWebサイトに掲載されています。

講習を受ける

講習を受けることも効率的な勉強法の一つです。専門学校や予備校で提供される講習には費用がかかり、通学の時間も必要になりますが、質問対応などのサポートを受けながら効率的に学べます。わかりやすい教材が提供されますし、講師に直接質問もできるため、独学ではカバーしきれない部分を補えるでしょう。

動画教材を活用する

動画教材の活用も重要なポイントの一つです。動画教材は視覚的に理解しやすく、繰り返し視聴することで理解を深められます。インターネット上には多くの無料・有料の動画教材が公開されているので、自宅でも気軽に学べますし、移動中や隙間時間を利用して学習できる点も大きなメリットです。

得意な分野・苦手な分野を把握する

自分の得意な分野と苦手な分野をしっかり把握することは、効果的な学習のために有効です。得意な分野では、さらなる理解を深めるために応用問題を解いたり関連知識を学んだりしましょう。また、苦手な分野は基礎から見直して重点的な学習をおすすめします。得意・不得意を理解すれば効率的に時間を配分でき、試験合格に向けてより的確な準備ができます。

2級建築施工管理技士を取得するメリット

最後に、2級建築施工管理技士の資格を取得することで得られる4つのメリットをご紹介します。

活躍の場が多い

2級建築施工管理技士は多くの現場でその能力を発揮できるため、需要が高く、さまざまな場で活躍できるでしょう。個人の工事から会社の工事まで、活躍のチャンスが広がります。現場管理やスケジュールの調整、品質の確保などの重要な役割を担う機会が増えるでしょう。

主任技術者となれる

2級建築施工管理技士の資格を取得すると、建設現場で主任技術者として活躍できます。主任技術者は、工事全体の責任を持つ重要な役割です。施工計画の立案から安全管理、品質管理、工程管理に至るまで、多岐にわたる業務を担当します。

収入アップが見込める

2級建築施工管理技士の資格を取得すると、収入アップが見込めます。なぜなら、現場の責任者として主任技術者手当が支給されるほか、資格手当も加算されるからです。また、建設現場での仕事ぶりが高く評価されれば、昇給や昇進のチャンスもあるでしょう。

転職で有利になる

2級建築施工管理技士の資格があると、転職にも有利となります。建設現場では主任技術者の設置が義務であるため、資格保有者は常に需要のある存在です。2級建築施工管理技士の資格があれば高度な知識と技術を証明でき、転職活動で強力な武器となります。

ネオコンストラクションでは
業界高水準の資格手当をご用意
1級施工管理技士資格をお持ちであれば「月5万円」
2級施工管理技士は「月3万円」の資格手当を支給しております。

まとめ

2級建築施工管理技士は、建設現場で主任技術者の重要な役割を担う技術者です。資格を取得するためには、第一次検定と第二次検定の2つの試験に合格する必要がありますが、資格が取得できれば活躍の場が広がり、収入アップにつながる可能性も大いにあります。

2級建築施工管理技士の資格は17歳から受検することができます。この記事を通して合格のためのコツやポイントを把握し、ぜひ資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。


この記事を読んでいる人におすすめの求人をご紹介!
株式会社ネオコンストラクションにて掲載している求人の中から、おすすめの求人をご紹介します。業界高水準の資格手当や資格取得支援制度など、これからのキャリアアップもサポート!
ぜひご覧ください。


株式会社ネオコンストラクション
関東・関西を拠点に、日本全国の建設会社に技術者を派遣している人材派遣会社です。
未経験者からベテランまで幅広く採用し、一人ひとりの希望に沿った案件をご提案いたします。
当社において最も大切にしている価値観は『技術者ファースト』
一人ひとりが「自分と向き合ってもらえている」と感じてもらえるよう、営業・サポート担当の2名体制で本人をサポートいたします。
キャリアチェンジや異業種からの転職など、何でもお気軽にご相談ください!


株式会社ネオコンストラクション コーポレートサイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次