土木施工管理に関する資格の一つに、「土木施工管理技士補」があります。国家資格である土木施工管理技士補を取得することで、土木建設の現場において責任ある仕事を任されます。
この記事では土木施工管理技士補について解説します。制度の概要や試験概要や取得メリットの紹介もするので、土木施工管理技士補に興味がある人はチェックしておきましょう。
土木施工管理技士補とは

そもそも土木施工管理技士補とはどのような資格なのでしょうか。以下で詳しく解説します。
施工管理技士補とは
施工管理技士補は建築や土木などの工事現場における技術者不足を解消する目的で、2021年に新設された国家資格です。技士補の資格は、施工管理技士検定の第一次検定に合格することで取得でき、工事現場で監理技術者のアシスタントとして従事できます。
なお、監理技術者は技士補を置くことで2つの工事現場の兼任が可能になります。その他、施工管理技士補の制度概要について詳しく知りたい人は、以下の記事をご参照ください。

土木施工管理技士補の概要
土木施工管理技士補とは、土木施工管理技士資格の第一次検定に合格することで取得できる資格です。
土木施工管理技士を目指していくうえで、仮に一度で第二次検定まで合格できなかった場合でも技士補の資格が与えられるため、監理技術者のアシスタントとして働きながら実務経験を積むことができます。土木施工管理の高度な知識や技術を身につけられ、第二次検定に合格するチャンスを掴めるでしょう。
土木施工管理技士補にできる業務
2級土木施工管理技士補となることで、法律上可能となる業務は特にありません。しかし、1級土木施工管理技士補については、工事現場の責任者である監理技術者の補佐役として従事することができます。
監理技術者の補佐は施工計画の作成や工程管理、品質管理など現場での指揮・統率をサポートしながら、1級土木施工管理技士の仕事を学ぶことができます。
そのため1級土木施工管理技士を目指す人にとって、1級土木施工管理技士補の資格取得は重要なステップといえるでしょう。
土木施工管理技士補の試験概要

以下では、土木施工管理技士補の試験概要を紹介します。これから土木施工管理技士補資格を取得しようと考えている人は、あらかじめチェックしておきましょう。
受検資格
土木施工管理技士補の受検資格は、土木施工管理技士2級・1級の第一次検定の受検資格と同じです。なお、令和6年度(2024年度)から受検資格が改正されます。
2級土木施工管理技士補は、受検する年度末時点で満17歳以上であれば受検可能です。1級土木施工管理技士補は、受検する年度末時点で満19歳以上であれば受検可能です。
2級土木施工管理技士補 | 17歳以上(当該年度末時点) |
---|---|
1級土木施工管理技士補 | 19歳以上(当該年度末時点) |
引用:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
試験日
以下は令和7年度(2025年度)の試験日程です。例年このような日程で実施されますので、申し込みや勉強の準備期間の参考にしてください。
2級土木施工管理技士補 | 前期:2025年6月1日(日) 後期:2025年10月26日(日) |
---|---|
1級土木施工管理技士補 | 2025年7月76日(日) |

難易度
以下では令和4年度(2022年度)の土木施工管理技士補の受検者数・合格者数・合格率を紹介します。
等級 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2級 | 27,461人 | 17,565人 | 64.0% |
1級 | 38,672人 | 21,097人 | 54.6% |
引用:国土交通省|令和4年度1級土木施工管理技術検定「第二次検定」の合格者の発表
国土交通省|令和4年度 2級土木施工管理技術検定 「第一次検定(後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
土木施工管理技士補の合格率は、2級・1級ともに50%を上回っており難易度は高くないといえます。土木施工管理技士補は筆記試験のみのため、しっかり試験対策を行っておけば合格できるでしょう。
合格後は合格証明書の申請を行う
土木施工管理技士補に合格したら、所定の手続きにて合格証明書の発行申請を行う必要があります。申請方法は年度ごとにことなるため、試験主催者である一般財団法人全国建設研修センターのWebサイトにてご確認ください。
土木施工管理技士補の資格を取得するメリット

土木施工管理技士補の資格を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
- 土木施工管理技士の第二次検定受検資格が得られる
- 責任のある仕事を任される
- キャリアアップにつながる
土木施工管理技士の第二次検定受検資格が得られる
土木施工管理技士補を取得すると、土木施工管理技士の第二次検定受検資格を得られます。土木施工管理技士の受検資格には、2・1級ともに第一次検定合格が一つの条件として含まれています。第二次検定の受検資格要件は以下の通りです。
2級土木施工管理技士 | 2級第一次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上) 1級第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
---|---|
1級土木施工管理技士 | 1級第一次検定合格後、 実務経験5年以上 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上 監理技術者補佐としての実務経験1年以上 2級第二次検定合格後、 実務経験5年以上(1級第一次検定合格者に限る) 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る) |
- 特定実務経験
請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験。
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
上記の通り、土木施工管理技士の第二次検定受検資格を得られるため、土木施工管理としてキャリアアップを目指したい人は、土木施工管理技士補を取得すると良いでしょう。
責任のある仕事を任される
施工管理技士補の資格を取得することで、一般の技術者よりも技術や施工管理に関する知識があると認められ、責任のある仕事を任されやすくなります。特に1級施工管理技士補は、監理技術者の補佐として工事の安全や品質を守る重要な役割を与えられます。
土木施工管理技士や監理技術者を目指している人にとっては、やりがいを感じられるうえに実務経験を積みながらスキルアップを図れるといった大きなメリットが得られるでしょう。
キャリアアップにつながる
施工管理技士補は国家資格であり、施工管理に関する専門的な知識や技術を有していることを証明できます。施工管理技士を目指すうえで資格は必須ではありませんが、資格取得者の方が転職に有利に働き、キャリアアップしやすくなります。
また、企業によっては資格手当が支給されることもあるため、施工管理技士補を取得することで年収アップも期待できるでしょう。
まとめ
土木施工管理技士補は、土木施工管理技士資格の第一次検定に合格することで取得できる国家資格です。土木施工管理技士補を取得すると、土木の工事現場で監理技術者のアシスタントとして働きながら経験を積むことができます。
また、土木施工管理技士の第二次検定試験資格を得られるため、将来的に土木施工管理技士や監理技術者としてキャリアアップを目指している人にとっては、土木施工管理技士補は登竜門ともいえるでしょう。
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