施工管理技士資格受検にあたって、2級・1級ともに受検資格が定められており、条件を満たすことで受検が可能です。令和6年3月31日までは現行制度ですが、令和6年4月1日からは新制度が施行されます。
この記事では、令和6年度から施行される新制度と施工管理技士受検資格の改正について紹介します。これから施工管理技士資格に挑戦しようと考えている人は、必ずチェックしておきましょう。
施工管理技士の受検資格改正の概要

施工管理技士受検資格の新制度は令和6年(2024年)4月1日以降より施行されます。令和4年5月に「適正な施工確保のための技術者制度検討会」において「技術者制度の見直し方針」として受検資格の改正が決定しました。
新制度では受検資格が大幅に緩和され、第一次検定では2級・1級ともに年齢制限だけとなります。第二次検定は、第一次検定の合格が必須条件(2級の場合は1級第一次検定も含む)となり、第一次検定合格後に一定期間の実務経験が求められます。
以下は、新受検資格の「実務経験」の取り扱い(対象と証明方法)を国土交通省の公式資料から抜粋したものです。
〇「新受検資格」における実務経験の工事内容等
- 建設工事の実施に当たり、その施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理等、工事の施工の管理に直接的に関わる技術上の職務経験を対象とする。
- 実務経験に該当する工事の範囲を、それぞれの検定種目(資格)に対応した建設業の種類(業種)に該当する工事とする。
- 同時期に複数の業務に従事した場合において、当該期間を複数の実務経験として申請する場合には、その従事割合に応じて申請を行うことを可能とする。
- 複数の検定種目(資格)が対応する建設業の種類(業種)の工事の経験については、同じ経験を複数の検定種目の実務経験として申請することを可能とする。
〇「新受検資格」における実務経験の証明方法
- 工事の従事期間等の必要事項について、工事毎に、工事請負者の代表者等又は請負工事の監理技術者等による証明を求める。
- 工期1年未満の複数工事を経常的に担当した期間の実務経験については、工事毎の証明に代えて、原則1年以内毎の複数工事について必要な事項を工事請負者の代表者等が証明することも可能とする。ただし、当該証明者が建設業許可を持つ者ではない場合には、証明者が専ら建設業を営むことの証明を別途求めることとする。
- 事業者が倒産した等の理由により証明を受けれない場合は、当該実務経験を有していたことについて客観的な資料の提出が可能な場合に限り、代替資料による証明を認める。
- なお、令和6年3月31日を含む工事の経験までは、その証明者については、従前の方法(申請時に所属している会社の代表者等)による証明も可能とする。
引用:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
施工管理技士の受検資格が改正される理由
施工管理技士の受検資格が改正される主な理由は、高齢化が進む建設業における中長期的な担い手の確保・育成を図るためです。
第一次検定の受検資格で学歴や卒業後の実務経験年数が問われなくなり、年齢制限だけとなるため、資格挑戦へのハードルが大幅に下がります。これにより若い人が挑戦しやすくなり、建設業界の人手不足・高齢化の解消が期待できるでしょう。
2級施工管理技士の受検資格

2級施工管理技士の受検資格について、制度改正前と改正後のものを紹介します。
改正前
学歴 | 第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|---|
大学(指定学科) | 17歳以上(当該年度末時点) | 卒業後実務経験1年 |
短大、高専(指定学科) | 卒業後実務経験2年 | |
高等学校(指定学科) | 卒業後実務経験3年 | |
大学 | 卒業後実務経験1年6か月 | |
短期大学、高等専門学校 | 卒業後実務経験3年 | |
高等学校 | 卒業後実務経験4年6か月 | |
上記以外 | 卒業後実務経験8年 |
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
改正後
第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|
17歳以上 (当該年度末時点) | 2級第一次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上) 1級第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
1級施工管理技士の受検資格

1級施工管理技士の受検資格について、制度改正前と改正後のものを紹介します。
改正前
学歴 | 第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|---|
大学(指定学科) | 卒業後実務経験3年 | |
短大、高専(指定学科) | 卒業後実務経験5年 | |
高等学校(指定学科) | 卒業後実務経験10年 | |
大学 | 卒業後実務経験4年6か月 | |
短期大学、高等専門学校 | 卒業後実務経験7年6か月 | |
高等学校 | 卒業後実務経験11年6か月 | |
2級合格者 | 条件なし | 2級合格後実務経験5年 |
上記以外 | 卒業後実務経験15年 |
(いずれも指導監督的実務経験1年を含む必要あり)
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
改正後
第一次検定 | 第二次検定 |
---|---|
19歳以上 (当該年度末時点) | 1級第一次検定合格後、 実務経験5年以上 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上 監理技術者補佐としての実務経験1年以上 2級第二次検定合格後、 実務経験5年以上(1級第一次検定合格者に限る) 特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る) |
- 特定実務経験
請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験のこと。
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
施工管理技士の検定種目ごとの受検資格
新制度では施工管理技士の全検定種目で統一された受検資格が設定されています。ただし、検定種目ごとに基本の受検資格要件に準ずる条件もあります。
以下では7種類の検定種目ごとに受検資格を紹介します。
2級第二次検定
「建築施工管理技士」「土木施工管理技士」「電気工事施工管理技士」「電気通信工事施工管理技士」「建設機械施工管理技士」の2級第二次検定では、以下の要件を満たすことで受検資格を得られます。
建築施工管理技士 | 1級建築士試験合格後、実務経験1年以上 |
土木施工管理技士 | 技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験1年以上 |
電気工事施工管理技士 | 電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上(別途1級又は2級1次検定に合格することが必要) |
電気通信工事施工管理技士 | 電気通信主任技術者試験合格後または資格者証交付後、実務経験1年以上(別途1級又は2級第一次検定に合格することが必要) |
建設機械施工管理技士 | 建設機械操作施工の実務経験6年以上(別途2級第一次検定に合格することが必要) |
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
1級第二次検定
「建築施工管理技士」「土木施工管理技士」「電気工事施工管理技士」の1級第二次検定では、以下の要件を満たすことで受検資格を得られます。
建築施工管理技士 | 1級建築士試験合格後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上 |
土木施工管理技士 | 技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上 |
電気工事施工管理技士 | 第1種電気工事士試験合格後または免状交付後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上(別途1級第1次検定に合格することが必要) |
参照:国土交通省|令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について
施工管理技士の受検資格における経過措置
施工管理技士受検資格の新制度では、令和10年度まで制度改正前の受検資格要件による第二次検定受検が可能となっています。
令和6年度から10年度までの間に有効な第二次検定受検票の交付を受けた場合、令和11年度以降も引き続き同第二次検定を再受検が可能です。(旧2級学科試験合格者及び同日受検における第一次検定不合格者を除く)
旧2級学科試験合格者の経過措置については、従来どおり合格年度を含む12年以内かつ連続2回に限り、当該第二次検定を制度改正前の資格要件で受検できます。
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まとめ

施工管理技士の受検資格は、令和6年(2024年)4月1日から改正され、新制度へ移行しています。
これまでより受検資格要件が緩和され、2級・1級ともに第二次検定では年齢制限のみが条件です。受検へのハードルが低くなるため、これから施工管理技士資格を取得しようと考えている人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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